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《来なくていい》
そう気が付けば、つばさくんに返信をしていた。
〝送信しました”という文字を確認するなり、自分でもう1度送信画面を見ると、自分がよく分からなくなり、セットし途中の髪の毛をぐちゃぐちゃにする。
「ん?どした?」
その声にハッと我に返り後ろを振り向けば守が風呂上りパンツ1枚の姿で、あたしを酷く冷たい目で見降ろしている。
あたしはなんか変なのだろうか……
「なんでもないよ」
そう一言残すと、なんにもなかったかのように手放したコテを持ち、いつものように髪を巻き始める。
それでもあたしの心臓は凄い勢いで動き始めていて、メールを知らせるランプばかり気にしていた。
守の目を見計らいながら携帯を開くと
《なんでだよ!?》とつばさくんからの返信があって
《お金もったいないからだよ》なんて、
あたしは一体何を言っているのだろうと思いながら自分の立場なんてものを捨てて送信していた。