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【消去しました】
そう知らせてくれた画面を見ながらあたしは肩をおとし、携帯を閉じた。
溢れ出す涙、過ぎ去っていく時間
時計を見ると、もう6時近くになっていて旦那が起きてくるだろうと慌ててお風呂場に逃げ込んだ。
シャワーを全開にして頭からおもいっきり浴びた
それに打たれている自分でさえ、どれが涙か分からなくさせてくれる……
「飛翔くん……」
あたしの大好きな人
あたしの大切な人
あたしに幸せと愛を運んでくれた人
なのにあたしは、飛翔くんにさよならを言おうとしている。
こんなにも心が飛翔くんを求めているのに……
手で顔を覆いながら、涙と共にっでてしまいそうな声を必死にこらえていた。
「おい、流奈?起きてたのか?」
えっ??
お風呂場のドアに旦那の影がある
開けないでーーー!!!
咄嗟にそう心の中で叫びながらも平然を装い「寝付けなくて」と冷静に答えている自分がいた
「そうか、早く寝ろよ?じゃあ俺は仕事行くな」
「うん、行ってらっしゃい」
影がなくなった瞬間に、胸を撫で下ろしその場にしゃがみこんだ。