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《着いたよ!!》
《着いたってどこ?》
《パチ屋の前だよ!!》
《俺もなんだけど……》
そのメールを確認すると、あたしは車から降りる。
パチ屋の前に座り込んでるつばさくんが居て……
やっぱり、どこか寂しそうな目をしていた。
その姿を見るなり、あたしは心臓が張り裂けそうで……
「流奈……?」
その声が耳に入ってきた瞬間に「久しぶりっ!!」なんて勝手にあたしの口からは勝手に言葉が発された。
「また、いいなぁ~!私服も!!全然ちげ~なドレス姿とは……」
びっくりした様子で、あたしを見つめ、目が合えばすぐに逸らされた。
何を話していいのか、どうしたらいいのか分からなくて長い沈黙が流れる。
メールでは、おちゃらけたり、冗談言ったり、なんでも言えるのに……
「てか、エンジン止めれば?」
目の前に止めてあるあたしの車を指さすつばさくんを見て、そんなことすらも忘れて車から降りたのかと思うと、なんだか恥ずかしくなった。
「てか、マジ伊織様は謎な人間だよな~まぁ、流奈もだけどよ」
「そう?そんなこと言ったらつばさくんもだよ~」
それから、あたし達は時間を忘れて夢中にたわいもない話で盛り上がった。
そんな楽しいひとときの時間を一瞬で壊したのは1通のメールだった。