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「電話鳴ってんよ、でねぇ~の??」
「あ、うん。メールだから大丈夫っ!!」
「メールか、見ればいいじゃん」
急に表情が変わって冷めた目つきであたしを見たかと思えば、ポケットからタバコを出してはそれを咥えている。
そんなつばさくんの顔を横目で見ながら、パンツの後ろのポケットに入っていた携帯を取り出すと、お客さんフォルダーにメールマークが付いていた。
〝こんな時に……”
そう思いながらメールを開くと、ささっと内容を目で追っては携帯を閉じる。
「ふぅ~」と言葉にしながら煙を吐き出しているつばさくんを見るなり、なんだか凄く心が痛んだ。
「男か、それともお客さん?」
その言葉は、とても優しい言葉なんかじゃなく
どこかトゲトゲしくて思わず「違うよ」なんて嘘をついた自分がいた。
一体、あたしは目の前にいるつばさくんにどれだけ沢山の嘘を並べているのだろう……
それは一体なんのために……
そんなことを考えてると大きなため息と共に口を開いたのはつばさくんだった。