~color~
何をしているんだろう
あたしが入れたメールを見て、飛翔くんは何を思ったのだろう……
それとも、あたしのことなんてもう頭の片隅にもない?
『だったら嫌いになってやるよ!!』
あの言葉……
あの一瞬であたしの心を刺した鋭い視線……
思い出すだけで、胸がギューっと締め付けられて涙が出そうになる。
そう言えば、あたしはあれからどんなに涙を流しても枯れることもなく
記憶から消えてやしない。
きっと、涙は枯れることなく流れつづけ
そしてあたしの記憶にはずっと飛翔くんの存在が残り続けるのだろう
だとしたら、あたしは……
これからもずっと、この苦しみや痛みと闘って生きていかなくてはならないのだろうか。
いつか、この気持ちが晴れるのだろうか……。
「おいって、呼んでるのに……」
「うわっ!びっくりしたっ!!」
「そんなにびっくりしなくても…千夏、呼んでたぞ?」
「えっ??」
「ママーって呼んでたじゃないか、なんかお前目腫れてねぇか?」
「そんなことないよ!」なんて言葉を残し、あたしは「ちぃ~ごめ~ん」と平然を装って近づいた。
限界だ……
今日ばかりは、この場所から抜け出したいと思う。
「ママ、いっしょにかこう?」
画用紙と鉛筆を持ちながら、目を輝かせながらあたしを見つめている。
どうしてなのだろう
そんな子どもの瞳に自分がどんな風に映っているのか気になってしまう。
いつものように上手く笑えているのだろうか。
そして、その綺麗な瞳に目を合わせられない自分がいる。
「書こうかっ!!」
画用紙を見つめながら笑うと、鉛筆を片手にあたしは白い紙を見つめていた。