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外に出た瞬間見上げた空は曇りかかっていて、眩しさに目を細めることなんてない
その寂しそうにどこまでも広がっている空を見れば、飛翔くんと繋がっていることが嘘のように感じてしまい
あたしが見上げる空だけが、こんな寂しげなのではないか?なんて疑ってしまっている。
辺りを見渡せば、笑顔の人ばかりが目につき幸せなんだろうななんて思ってみたりもして……
これから、この世界に溶け込む自信すら失せてしまう。
「あっ!!走ったらあぶないよぉ!!!」
「だって、きょうママあるくのおそいんだもん!!」
そう言うと、勢いをつけて公園へと走って行く姿にあたしの足も速さが増した。
「うわ~!!ママはやい~っ!!」
後ろを何度も振り返りながらもキャッキャッと喜びながら逃げてい千夏を見て子どもって羨ましいと思ってしまう。
泣きたい時に泣けて
笑いたいときには笑う
その表情にはいつも偽りなどなく、感情が湧き出ている
いつから、そんな当たり前だったことを失ってしまったのか?なんて考えてみても分からないままで
大人になることをあんなに楽しみにしていたはずなのに、
一体、何を得たのか、それが嬉しいことだったのかって問われれば間違いなくNOと言うに違いない。
そもそも大人になることは、辛いことの始なりなのではないか……なんて思ったりもしてしまう。
きっと、空が寂しそうに見えてしまうことがもう、あたしの心が濁っていることを表しているのだろう。