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「流奈っ?、俺のこと好き?」
静かに、発売したアルバムの曲が流れている空間で、そっと飛翔くんが呟く……
こうして聞かれることは慣れているはずなのに、どうも今日はなんだかその言葉にあたしの方が不安になってしまう。
「どうしたの?急に……」
そう顔を覗きこむと「好きって言って!」とおもいきり顔を背けてしがみついてきた。
「大好きだよ……」
大きな手があたしの髪を優しく撫で続けてくれる
まるで、壊れものを扱うようにそっと、何度も……
このままずっと、こうしていて欲しいと思った
そしたら、あたしはこのまま眠りにおちて目を覚ましたくないと……
「ねぇ?車の後いかねぇ?」
「えっ?」
耳元で囁かれた声に体中がビクンと反応してしまう。
「ばか、流奈……また変なこと考えたろ」
「もう!!違う!!考えてないっ!!!」
突然、何を言い出すのか?なんて思っていることが伝わったのか飛翔くんは「遠いんだ、運転席と助手席だと」と小さな声で呟いていた。
「へっ??」
「距離があんの!!」
最後まで言わせるなと、言わんばかりに逃げるように車から下りると飛翔くんは一人後部座席の方に乗り込んだ。