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今日の飛翔くんはなんかある……
そんなことばかり考えておて、結局一睡もできなかったなんて本当に重症だろう。
気がつけば、カーテンの隙間からは光が差し込み
そして今日も一日が始まることをわざと知らせるように旦那が起きて仕事の準備を始めている
「お前寝てないだろ?」
そう声がする方へと顔を向けると準備し終わった旦那があたしに視線を送っている
心配そうな悲しい視線を……
咄嗟にそれを反らし「寝たよ?なんで?」なんて平然を装って言ってるつもりだが、内心は焦っていた。
「布団いなかったし、帰ってくるのも遅かったろ……」
目を反らしていたって分かる、旦那があたしに向かって送る視線は突き刺すものだということを……
ばれた?そんなのもうどうだっていい
あたしは今、旦那を失うことの方よりも、飛翔くんがいなくなる方が怖くてたまらないのだから
旦那を目の前にしてまで、こんなことが頭を過ってしまうあたしは、最低な女だと自分でも自覚している。
「ああ、ミーティングがあって遅くなったんだ、でもソファーの上で寝たよ?」
きっと、普通の顔をして嘘をついているのだろう……
そんなことを言いながらも、頭の中では飛翔くんが支配しているんだ
「そう、少し寝れたら寝ろよ?行ってくる」
玄関のドアがバタンと閉じると同時に携帯を開くと飛翔くんへとメールを送った。
《おはよう!MDありがとうね!本当に嬉しかった》
夜中、急に途絶えた飛翔くんからのメール
朝方まで続くメールのやり取りがないだけで、こんなにも不安になる
すぐに返信がくるわけでもないのに、あたしは携帯から目を放せずにいた。