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あなたと出逢って少しだけ雨の日が好きになったのは
あなたとのことで何度も涙ばかり流しているあたしも
雨の日だけは泣かなくていいと思ったから
空を見上げてみれば
たくさんの雫が頬を勝手に濡らしてくれるから
だから傘をさしたくないと思った
濡れていれば
自分の涙だと分からず雨のせいにできるから
だけど、本当は……
あの二人の秘密の場所で
雨の日にあなたの助手席で見るフロントガラスにぶつかってくる雨を見たことがきっかけ
雨の日は車の中でしか一緒にいられないあたし達に
雨のせいだと理由が出来るきがして
歪んで見えにくい外の世界をみていると、
少しだけ現実から逃げられるような気がしたから……
「雨なんて大嫌いっ！！」
そう言ったあたしに
「俺たちが抱えきれないものを空が抱えてくれて泣いてくれているんだよ」
そう雨に打たれたあなたを綺麗だと思えたから……
今日の雨はきっと、抱えきれなくなった飛翔くんの涙。
そう知ったのは、もう少し先だったんだね……
