~color~
「うっ……気持ちわるっ」
体を起こした瞬間に、とてつもない頭痛があたしを押し寄せる。
周りを見渡せば、明らかに自分の家のソファーだった。
んっ……?
無造作に置かれたバッグに、脱ぎ捨てられた服。
目を瞑り記憶を辿っても、どうしてここにいるのかすら全く覚えてない。
バッグから携帯を取り出せば送信メールを開いた。
《今日はごめんね》
そう、確かあたしは店の外で頭を冷やして……
店へと戻るときにメールを打ったんだ。
それから……
それから……
あたしは再びお客さんの元に戻ったのだろうか。
記憶がなくなるまで飲んだとしたなら、きっとあたしは再び席につき仕事に戻ったに違いない。
重い腰を上げ、寝室を覗き込むと、みんな寝息を立てていた。
そのまま静かにドアを閉めると、ズキンズキンと痛むこめかみを抑えながらあたしはお風呂場へと向かった。