~color~



昨日の夜中も、朝も黄色いランプが点滅しないあたしの携帯


それを確認する度にとうとうこの日が来てしまったのかと考えてしまう。


気づけば、朝日が今日の始まりをあたしに教えてくれている。


眩しすぎる太陽を目を細めながら見てみると明けない夜は本当にないんだって今更ながらに確信してみたりして。




《おはよう!今日は寒いね…昨日は本当にごめんね》



どこかで、まだ夢の続きが見れるのではないか?



なんて思いながら白い画面に打ち込んでいた言葉たちは、あたしが飛翔くんと繋がれることを信じて現実を受け止められない現れ……




その時、あたしの携帯にメールの受信を知らせるランプが点滅し始めた。



まるで、あたしが何かメールを送るのを待っているかのように……




だけど、躊躇していたんだ



このメールを開いてしまってはいけないような気がして……。




これを開いてしまったら、あたしは夢の世界から目を覚ましても無理やり目を瞑り続けているような気がして



そして、またその夢の続きが見れるんじゃないかと期待してしまいそうで……




あたしの胸はおかしい位にドクンドクンと速さを増していて、息を吸うことさえ苦しくなってしまう。



メールマークの絵が描かれているボタンに指を置くことが精いっぱいで、あたしは一度携帯を閉じた。






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