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『なぁ~流奈、見てこの向日葵』
『んっ?』
あれは確か、翼とひまわり畑とは言えないけど、
ひまわりが沢山咲いている場所に行った時のことだった。
『このひまわりだけ、太陽の方見上げてないんだよ』
『本当だ……なんでだろ?なんで、みんな同じ方向なの?このひまわり以外……』
そのひまわりに近づくと、翼はあたしの頭をポンと叩いた。
『人間と同じなんだよ、ひまわりも』
『えっ?』
『ひまわりってさ、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るから、ひまわりっていう名前になったっていう由来があるんだよ』
『知らなかったぁ~そうなの?』
『そう、でも成長が止まってしまったからだよ』
『もう、動かないの?』
『つぼみが大きくなり花が開く頃には生長が止まるため動かなくなるんだ、完全に開いた花は基本的に東を向いたままほとんど動かない、だから太陽を追わなくなる』
『そうなんだ……』
『でも、俺は流奈だけの太陽だからさ、流奈は向日葵』
『向日葵は太陽を追わなくなるんだよ?』
『だから、流奈だけの太陽だって!流奈が追わないのであれば、俺が流奈を追ってやるよ』
『そんなのっ……』
『だから流奈はずっと花が開いたまま俺を見上げる』
『そしたら枯れないねっ!!』
『枯れないだろ?俺はいなくならないよ』
向日葵は太陽のいない世界では花さえも開かず
太陽さえも追うこともできず枯れていきました。
太陽のない世界では
生きる希望さえもなくし
ただただ、立ち竦みそこから動くことさえもできず……
崩れ落ちてくばかりでした。