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それから、あたし達は何もなかったかのように、いつも同様朝までのメールのやり取りが続いた。
ただただ普通に、彼が問いただすことに答えたり、ふざけたメールのやり取りだったり……。
“会いたい”そんな想いを募らせていることも、つばさくんには悟られないように。
つばさくんの気持ちがあたしに向いていることは分かっていても、カップルでもないあたし達は会うことはなかった。
そんな日々が続く中で《流奈は今日は店?》そう昼間に入ってきた1通のメールにあたしはすぐさまメールの返信をした。
つばさくんに会えるかもしれない。
そんな想いを募らせながら《そだよ、どした?》なんて自分のソワソワ感やドキドキ感なんて見せずに……
《俺、パチ屋に行くからさ……》
《じゃぁ、流奈店の前に寄るよ~!》
《本当かよ?テンションあがるんだけど~!》
そんなメールを見ながら、あたしの顏は明らかに緩んでいた。
つばさくんに会える
ただそう思うだけで、ドキドキしてきて苦しい。
これで約束して会うのは2回目……
早く時間が過ぎて約束の時間になって欲しい
そう思ったあたしは自分にびっくりした。
あたしにもまだ、こんな感情が残っていたんだと……
だけど、それが自分自身も傷つき
つばさくんも傷つけることになるなんて知る由もなく……