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時間が経つのはこんなにも遅いものだっただろうか……
そんなことを思いながら、淡々と店に行く準備をしながら、今日はなぜだか守の視線が凄く気になる。
あたしは何か変なのであろうか……
「そろそろ行ってくる」
TVを見ていてる守の背後周り、そう呟くと「なんか今日早くねぇか?」なんてぶっきらぼうな言葉が返ってきた。
「ちょっと買い物したくてさ」
そんな風に平然を装って答えている自分は悪魔なのだろうか……
いや、悪魔ならまだしもいいのかもしれない。
あたしはもう、それ以下のはずだから。
そんなことを考えながら、玄関へと向かうと、どのヒールを履こうかな。なんて下駄場を開けて考えている自分がいる。
会える時間なんて30分ちょい
その時間のためにあたしは念入りに化粧なんかして、洋服もどれにしようかなんて悩んでしまった自分もいたりして。
遠い昔にそんなこともあったな……
なんて考えながら、やっぱり頭の片隅にずっと存在しているのは、つばさくんで
遠い昔に抱いていた想いと照らし合わせていた。
「行ってきます」
そう笑顔で呟けば、あたしは玄関のドアを開けた。
同時に付けていた仮面を剥ぎ取って。