~color~


2人をずっと繋いでくれていたメール。


それが今日ばかりはとても憎く感じる。


あっとゆー間に飛翔くんの元に届けてしまうのだから……




ーーー送信しましたーーー


いつしかそう出ていた画面も明かりを放っていなくて真っ暗な画面に戻っていた。


きっと飛翔くんはまだ寝ているだろう。


それともメールの音で起きていて、もうあたしからのメールを見ているかもしれない。



そんなことを思いながらも、あたしの目から涙は止まることを知らなくて。



あのドキドキした日々も

愛おしいと感じた感情も


遠い昔のようで


やっぱり長い夢を見ていたんじゃないのかって思ってしまう。



真っ黒な自分に差し込んできた1本の光


それは、とても眩しくて目を細めるほどで……



けして繋がることなんて始めからなかった。


それなのに、あたしは……


大きな嘘を抱えながら、飛翔くんに笑顔を振り撒き、


深く深く傷つけた……



結局のところ、あたしは酷い女で何も変わってなんかいなかった。



偽物の世界で生きて来たあたしに


本物はあるとずっと言い続けていた飛翔くん。



その本物を少しだけでも信じてみたいと思ったばかりに、あたしは……


偽物の世界を飛翔くんに教えてしまったのだろう。



きっと彼はまたあの冷たい眼をして
生きて行ってしまうのだろうか……



そう飛翔くんと出会った時のあの眼を思い出すだけで胸が苦しくなった。



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