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今日は時間が経つのがとてつもなく遅い。
家に居たら、余計にいろいろ考えちゃって遅く感じるのかもしれないけど、今日のあたしは子供たちを連れて外に出かけるほどの元気などもうなかった。
それに、こんな時に限って仕事も休みだ。
だけど、前のあたしなら店でも平気な顔して笑い、仕事をしている時は伊織という女の仮面を装着しているのだろうけど、今のあたしにそんな器用なことはできないだろう。
だから、休みで良かったと心底思った。
それでも、あたしは普段通りに台所に立ち、夕飯を子供たちに食べさせて、子供たちを寝かして……
笑顔を振る舞っていた
最悪な妻だろう
最悪な母親だろう
その前にあたしは最悪な人間だ……
子供たちの可愛い寝顔を見ながら、あたしにもこんな頃があったのかな?なんて思ってしまう。
こんな人間にはならないで欲しいと思いながら、部屋の電気を消すと、旦那はきっとまだだろう……と思いながらそのままお風呂場へと向かった。
家で唯一1人になれる場所
今は唯一感情を露わにできる場所
シャワーを頭からかぶると、やっぱり今日もまた目から何かが零れ落ちてきている。
あたしはいつから、こうやった簡単に涙を流せるようになったのだろう。
どうして、再びこうして感情というものを手に入れてしまったんだろう。
そう思いながら、ただただシャワーにあたり続けて声を押し殺して泣いた……