~color~
苦しい……
涙が止まることを知らずに溢れ出してくる。
再び黄色いランプがメールの着信を知らせてくれて、それを開けた途端、あたしは携帯を両手で抱え込み、うずくまり声を押し殺して溢れ出す涙をただただ拭った。
《なんだかんだ言って、俺さ、結構お前の事、好きなんだよね》
報われない恋……
それは、あたしが再び本気で人を好きになった恋……
誰かを想いすぎて涙が出ることを知った恋……。
翼を失ってから失い続けていた感情
翼を失って手にしたいくつもの偽物の仮面。
ずっと、どんな時でも笑顔でいるために作られた偽物の自分。
そんな自分がどんどん剥がれて行く
皮肉にも翼と同じ名前の飛翔くんによって……
気持ちを言い合った末に、2人に訪れた現実
悲しい結末は決して繋がることを許されない。
もう、これで終わりなんだ……
携帯の画面を見つめながら息をのみ画面に文字を打ち込もうとするのに、あたしの指は小刻みに震えている。
それでも、ゆっくり1文字ずつ言葉を並べて行った。
《ありがとう……。飛翔くんと出会えて本当に良かった》
送信しましたーーーー
その画面があたしの目に映った時、もう声を押し殺すことなんてできずに、あたしはおもいきり泣いた。