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誰かを好きになることは
辛く苦しいこと
酷く悲しいこと
そう、あたしが好きになった人は
好きにはなってはいけなかった人
愛してはいけない人。
もう誰かを愛する資格なんてないのに
自分が1番よく分かっていたはずなのに。
携帯をテーブルの上に置くと、あたしはタバコを取り出した。
換気扇の下に行くと、それを取り出し咥える。
『なんか流奈ってタバコ似合わなくね?店で初めて会った時も思ったんだけどさ』
飛翔くんの目に映るあたしは一体どんな風に見えていたのだろう……
あの時……飛翔くんの目の前でタバコを咥え、そう言われた瞬間、思わずタバコを閉まったっけ。
そんな飛翔くんとのやり取りを思い出しながらも、それを振り切るかのように、あたしはライターを手に取り、火をつけ、思い切り吸い込んだ。
目を瞑り肺に入れた煙を吐き出せば、おもいっきり目を見開くと同時に今あった思考を無理やり消そうとした。