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気を紛らわせるためだけに吸ったタバコは、もの凄くまずくて、よくこんなもの吸ってるよな……なんて思いながら、すぐに灰皿に押し付け揉み消した。
ソフアーに身を預けて、小さく丸くなって目を瞑っていると、あたしの目の前でランプがチカチカと点滅していた。
黄色い、飛翔くんからの着信を知らせるランプ。
〝ねぇ?ホタルみたい……”
〝俺の部屋にもホタルがいるよ……”
いつか、真っ暗な中でメールをやり取りしている時に、そう飛翔くんに送ったっけ……
「えっ……?」
そん風に浸ってみたものの、黄色いランプの存在が何を知らせてくれてるかに気づき、あたしはすぐさま携帯を取り、受信されているメールを開いた。
《このままじゃ、俺……納得いかないから、会って話そうよ》
そのメールを開いた瞬間、再びあたしの涙腺はあっという間に開かれ、再び涙が溢れ出した。
携帯を力強く握りしめると、手が震えていた。
また、飛翔くんと逢うことなんて何も考えてなくて……
あのメールを送ったら全てが終わりだとそう思ってた。
辛いのも苦しいのも全ては自分のせい
嘘をついた代償は酷くあたしにのしかかり、苦しくて辛くて、怖くて涙が出ることも知った。
それなのに、再び飛翔くんに会ってしまったら
あたしは、また押し殺していた感情が動き出してしまう。
きっと止まらない所まで……
ここで、もう会えないと送ってしまえば、これ以上、飛翔くんと傷つけることはない。
メールの返信ボタンを押すと、あたしの指はゆっくり動き始める。
ーー送信しましたーー
その文字も見た瞬間あたしは深いため息を吐きだした。