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《うん、分かったよ。明日店行く前に少しなら》
そう送ってしまったあたしは……
《そうだよね、そんなもんしか時間取れないよね》
《ごめんね……》
また自分が傷つくことから逃げ……
どうなってもいいから逢いたいと思ってしまったあたしは……
やっぱり卑怯な女。
好きという気持ちに負けてしまった。
逢いたいという気持ちに負けてしまった。
あたし達に訪れることは決して幸せなんかじゃないことくらい
分かっているのに。
いまさら、飛翔くんにどんな顔をして逢えばいいというのか。
責められるかもしれない
最低だと怒りをぶつけられるかもしれない。
それでもいい……
それでも飛翔くんに逢いたいと思ってしまったあたしは
妻として……
母親として……
いや、それ以前に人間として
終わっているのだろう。