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《逢うのが怖いんだ……》
気が付けば、そうメールに打ち込み、あたしは飛翔くんへと送っていた。
《なんも怖くなんかないよ……》
そうすぐに返信が来た後、あたしは携帯を閉じた。
飛翔くんの怒りとか、責められることとか、そういうのじゃない。
自分が怖い……
こんなにも飛翔くんを愛してしまっている自分が怖い。
逢って顔を見てしまえば、もう離れられなくなりそうで。
全てを求めてしまいそうで怖い……
小さくため息をつくと、外の明るさにどんどん目が慣れていく……
とうとう夜を明かしてしまった。
時計に目をやれば、あと少しで6時をさしていて、
もう旦那が起きてくることだろうと、久しぶりに現実に引き戻される。
あたしがいるべき場所はこっちの世界だというのに、
だとしたら、やっぱり飛翔くんとのことは全て夢の中ってことで、目が覚めた時、消えて記憶があいまいな夢の中の出来事であって欲しいと心から願ってしまう。
そうしてらきっと、あたしがこんなにも飛翔くんを愛してしまってこともなく、飛翔くんを傷つけてしまうこともなかったのだから。
そんなことを考えていると、携帯のランプが再び光を放っていた。
《そんなに、会いたくない?》
《ううん、大丈夫だよ!!》
《うん、分かった》
そのメールを確認すると、深呼吸と共に大きくため息を吐き出し、静かに携帯を閉じた。