僕の遊びと俺の迷惑
こんな風に誰かと眠るのも久々で、腕枕なんて短い人生で初体験だ。
そんなことをぼんやりと考えていると、寝返りなのかどうなのか、魔王様が僕、いや私を抱きしめた。
「っ!!」
私は思わず固まる。もう少しで鼻と鼻が触れてしまうような距離。
「魔、王様、もしかして、起きている・・・?」
しかし返事は無い。本当に寝ているようだ。
「魔王様、本当に人間だったらモテモテどころじゃないかも・・・。」
タラシとかホストとか簡単になれる気がする。天然っぽいし。そんなくだらないことを考えていたが、次第にどうでもよくなった。
「おやすみ、魔王様。」
敵同士で、いつかは決着をつけなくちゃいけないとしても、今だけなら、こんなのもいいよね。
私の意識はゆっくりと沈んでいった。