僕の遊びと俺の迷惑

もはやお互いの力も魔力も残ってない程にぶつかった後、決着をつける前に勇者は戦いをやめた。

「あは…は、君強いね…。予想外だったよ。今ここで終わらせるのはちょっと、もったいなくなったよ。」

そう笑うと、勇者は剣を収めた。

「もったいなくなった、だと?」

「うん、そう。君とはまた戦いたい。」

そう言うと勇者は残っていたのであろう自身の魔力でそこからワープし、いなくなった。追う気はない。その必要性もなかったし、第一そんな気力も残っていなかった。

その時は不運な事故にあったとして忘れる事にした。

しかし城がなんとか修復された頃、再びそいつはやってきた。否、その日から来続けている。

何故来るのか。勇者曰く、俺が強いから気に入った。俺からすればまったくもって意味不明である。上に、迷惑。

こいつは俺と戦い、決着が付く前に帰っていく。その度に城が壊れる。

そうならないためにも、早めにこいつと決着、言わば息の根を止めてしまいたいところなのだ。が、いかんせんこいつが人間とは思えないほど強い。簡単にはいかないのが現状。

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