あたしは、キミに恋をしました
『ね、ねぇ、あたし、もう大丈夫だから・・・』

「蜜柑、ゴメン、黙ってて」

なんだろ・・・声は優しいのに、なんか・・・怖い。

「啓、ちゃんと言え」

「だから、てめぇに関係ねーだろうが!!」

ビクッ。

『もう、いいよ・・・やめて・・・グスッ、こんなの、ヤだよぉ・・・』

「蜜柑?」

そう言って啓ちゃんが、あたしの頬に触れようとした。

『ヤッ!』

パシッ!

「え・・・・?」

『今の啓ちゃんは、啓ちゃんじゃないよ・・・あたしに触れるのは、啓ちゃんになってからにして・・・・』

これでも、あたしなりの強がりだ。

あたしも、結構ツライ・・・・。

「それが蜜柑の本心か?」

『それ以外になにがあるのよ・・・』

「そうだよな。・・・ちょっと、頭冷やしてくる・・・・」

啓ちゃんが行っちゃう・・・でも、ここで追いかけたらダメなの。我慢しなきゃ・・・。

「バーカ」

『え?』

「強がんなよ」

『・・・・うっ・・・』

「泣きたいときは泣け」

『ふぅっ・・・うっ・・・グスッ、うぅう~・・・』

神様・・・・なんで、恋って切ないの?

ドラマで見た恋人は、幸せそうに笑い合っていた。

でも、現実は違うよね・・・。

辛くて、切なくなんかない恋なんて、無いんだよね。

こんなになるんだったら、キモチ、伝えなければよかった・・・・

思ったらダメなのに、思ってしまう・・・。
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