あたしは、キミに恋をしました
「蜜柑!!」

『え・・・?』

ギュッ!

え?え?え?

『晴輝・・・?』

「お前、頑張りすぎ」

『なんで、来たの?なんでわかったの?』

「小さいころから、啓とここであそんでたから」

なんで・・・知ってるの・・・?

「あのホテル、俺の家がやってるんだ」

あのホテル。「TAKIMOTOホテル」このホテルは、あたしでも知っている。

全国にあって、いわゆる、セレブの人が泊まるところだ。

で、そのホテルの社長は、滝本 敦《あつし》超お金持ちだ。

じゃぁ、晴輝は、お坊ちゃまってこと?

でも、なんであたしのことえを知ってるの?

「俺、あそこの頂上・・・まぁ、スイートだな。そこに住んでた」

す、スイート・・・

「毎日がつまらなかった。小学校に行って、帰ってきても勉強やら、作法やらで、俺に自由なんかなかった」

『うん・・・』

「でも小学5年生のある日、公園に行くために、蜜柑と啓がこのホテルの下を通ったんだ。大声でケンカしながらな」

『う、うん・・・///』

「俺は、なんだ?このうるさい連中は。って思った」

そりゃあ思うよね・・・

「でも、公園で遊んでる姿が羨ましかった・・・・」

『うん・・・』

「それが1週間ぐらい続いたある日、車道側にいた蜜柑めがけて、車が突っ込んできたんだ。そして、それを守るように啓が蜜柑を押し飛ばして、啓が・・・・車にはねられた」

『それは、あたしも覚えてるよ・・・』

「それを見ていた俺は、すぐに119番した。救急車が来るまでは時間がかかるから、俺は下へ行った。そしたら、蜜柑が泣きながら、「啓ちゃん、死んじゃヤダ!!」って、ベタな台詞言ってた」

『一言よけい・・・』
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