あたしは、キミに恋をしました
この日は6時間目まであったから、6時間目が終わると、誰よりも先に啓ちゃんのところへと急いだ。

もちろん、栞菜には前から言っておいたよ。

コンコン・・・

『啓ちゃんはいるよ』

今日も、チューブだらけの啓ちゃんの姿があった。

『啓ちゃん、きょうはね・・・』

あたしは、毎日あったことを啓ちゃんに話してた。言っても、啓ちゃんはわからないだろうけど、あたしはやめない。そう誓った。

晴輝も生徒会にちゃんと出席するようになって、夜の7時ぐらいになるとお見舞いに来る。あたしはそのくらいの時間に帰るから、なんか晴輝が送ってってくれる。

まぁ、あたしとしてはラッキーだけど。(痴漢にあわないため)











そうゆう日々を送り続けて2週間が経った。




『啓ちゃんおはよー!』

なんか、今日は早くに目が覚めたから、お見舞いに来た。

啓ちゃんのたくさん繋がっていたチューブも、今じゃぁ3本になった。

『啓ちゃん今日は集会があるんだよ!でね、栞菜が発表するの・・・栞菜、頭いいからさ、みんなの推薦なんだよ・・・・』

急に、さみしさがこみ上げてきた。

いつも1人でしゃべってるじゃん。

いつも啓ちゃんは寝てるじゃん。

なのに、この日は違ったんだ。

悲しい、虚しい。

そんな言葉しか出てこない。

『啓ちゃん、早く起きてよ・・・・』



そのとき、一瞬だけ・・・ほんの一瞬だけ啓ちゃんの瞼がかすかに揺れた・・・・
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