あたしは、キミに恋をしました

あたしのキモチ?

次の日の朝。あたしは「塚田」と書いてある表札の前で悩んでいた。

このボタン、押すべきなのだろうか?もし、それで啓ちゃんが出てきたら、すんごく気まずくなるんじゃないんだろうか?

普段使わないような、頭のへんなところをフル回転させて、本気で悩んでいた。

えぇい!!こうなったらヤケだー!!

ピーンポーン。

「はぁい!今行きますぅ~!って、あら?蜜柑ちゃんじゃなぁ~~~い!!」

でたのは、啓ちゃんのお母さんだった。

ちょっとだけ、ホッ・・・。

「あら?蜜柑ちゃんどうしたの?」

『あ、あの、啓ちゃんは?』

「え?蜜柑ちゃんと一緒じゃなかったの?先に行っちゃったわよぉ」

先に行っちゃった?

『あ、りがとうございました・・・』

「いいえ??」

そっか・・・・先に行っちゃったんだぁ・・・。

ホントあたしのことお見通しだよなぁ・・・。まぁ、さすがに何年も一緒にいたらわかるかぁ。

「お前、なにしてんの?」

『え?』

「「え?」じゃねぇよ。なんで表札を見つめてんだよ」

ひ、表札を見つめるー?!

『あ、あの、あたし、そんなに見ていましたか・・・?』

「俺を誰だと思ってんだよ・・・」

え・・・?どっかのおじさんじゃないの?

そう思いつつも、後ろを振り向いてみたはいいものの・・・・。

『は、晴輝?!』

「んな反応あきれたっつーの。・・・・・啓は?」

『あっと・・・・えっと・・・・なんか、ね・・・えっと・・・』

「・・・・」

『あの・・・んっ?!』

手で口をふさがれた?!

「やっぱいい。蜜柑、まだ傷が癒えてないようだからさ。気が向いたら言え。まぁ、予想はつくけどな」

あ、はい・・・。そうゆうことですか・・・。
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