太陽王と月の少女
次の日、朝は食事をヘリオスとセレーネは一緒に取ることになっている
その後はそれぞれの仕事をこなしていくのだが
食事をとる部屋に入って来たセレーネは、先に席についていたヘリオスににこやかに挨拶した
「おはようごさいます」
「……ああ、おはよう」
ヘリオスは憮然としたまま素っ気なく返事を返した
セレーネは気にする様子もなく席についたが、側にいたセドリックはヘリオスを睨んでいる
仕事のことで朝早くに来ていたのだが、少しは愛想よくしろとでもいいたいのだろう
しかし、ヘリオスは無駄に愛想を振りまく気にはなれない
「お初にお目にかかります。アルテミスでシスターをしておりました、ミリアと申します。セレーネ様の側仕えとして参りました」
ヘリオスに挨拶したミリアを見てヘリオスは少し不思議に思う
ミリアはセレーネと同い年位の少女だ
瞳の色は茶色、髪はセレーネほど黒くはなくダークブラウンといった感じだ
黒い髪には違いないが、セレーネのそれとは違っている