太陽王と月の少女



愛らしい顔立ちの少女はふんわりと微笑み頭を下げる



「後ろにいるのは僕の近衛騎士です。何かと顔をあわせることになると思いますので紹介しておきます」



セレーネはすぐ側に控えるヒースを示す
ヒースは一歩前に出て一礼した



「セレーネ様の近衛騎士のヒースと申します」


ヘリオスはミリアとヒースを見定めるように眼を細めた


ミリアは終始微笑んでいる
だが、特別人に媚びる為に笑っているわけではなさそうだ
反対にヒースはずっと無表情だ
他国の王を前にしているのだから騎士といえどもう少し愛想があってもいい気もするが、この二人はどちらもそれが素なのだろう



「慣れない土地だろうがゆっくりするといい。何かあれば係の者にいいつけてくれ」



形式的に労いの言葉を言ってセレーネも同じように返した


まだお互いに探り合いということだろう、当たり障りのない会話をして朝食は何事もなく終わった





朝食を終え、二人が退席しようとした所にドアを叩く音がした







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