太陽王と月の少女
「私の屋敷で準備させていただきたいのですが」
「歓迎パーティーか……」
ヘリオスは興味なさげに呟くが、傍にいたセドリックは小さく耳打ちする
「これも必要なことです。サボらないで下さいね」
「……そんなことわかってる」
パーティーはあまり好きではないが、面倒でもしなくてはならない事もある
ヘリオスは不機嫌さを隠してオコナー男爵に言う
「好きにしろ。言い出したのはお前だ、任せたぞ」
「かしこまりました」
事のしだいを見守っていたセレーネはニッコリと微笑む
「私の為にパーティーなど、痛み入ります。オコナー男爵、楽しみにしておきますよ」
「ええ、それはもう……盛大な物になるでしょう」
「何なんだあのオヤジ?」
朝食を終えていったん自室に下がったセレーネは呆れた様に言った
「確かにわざとらしい理由でしたわね。セレーネを本当に歓迎したい訳ではないでしょうに」
ミリアも可愛らしく首をかしげながら呟いた
「まぁ、予想はしてたけど気をつけないとな。ヒースにがんばってもらわないと」
傍にいたヒースは無表情のまま心得たようにうなずいた