太陽王と月の少女
「行くぞ」
ヘリオスは馬車から飛び降りる
セレーネはその後に続いた
ヘリオスが迫りくる男たちの一角を華麗に切り崩す
剣と剣がぶつかり鈍い音がする
「前に行け!」
すぐ後ろにいるセレーネの手首を掴み、ヘリオスは身体を入れ換える
その勢いを利用してすぐ後ろに迫った男を切り倒す
(5、6……後2人)
走りながら後ろを確認する
2人なら立ち止まってもやれる自信がある
ヘリオスはかたく地面を蹴って後方に飛ぶ
何度か切り結び、2人を切り捨てた
その時気付く
先に走っていったセレーネの前にもう1人現れたのだ
「神官!」
叫んだ瞬間セレーネは消えた
消えたように見えた
セレーネは素早く屈んで男にタックルしたのだ
突然のことに男は反応できなったようだ
セレーネがぶつかった勢いで木にぶつかり、セレーネと木にサンドイッチにされたのだ
「大丈夫か?」
辺りに敵の気配はもうない
セレーネは軽くうめいて起き上がった
男は当然の如く気絶している
「……ええ、大丈夫だよ。太陽王」