太陽王と月の少女




王座のある広間には殆んどが煌びやかな金髪の貴族達が集まっていた

ヒュペリオンは太陽の国、その国民は金髪か明るい茶金の髪をしている
その人々を誰より輝く金髪の若き王、ヘリオスは一段高い王座に座り見下ろしていた


誰もが畏怖と敬意のこもった視線で見つめる
そして、ヘリオスはそれを平然と受けとめるのだ



生まれながらの王……



ヘリオスの隣に立つセドリックはそんなことをふと思った


しかし、まだ若い王は不機嫌さを滲ませたまま王座に肘を突いて尊大に振る舞っている

その姿にセドリックは内心ヒヤヒヤしている



集まった貴族たちは緊張を含んだ小さな騒めきを落としている


そして、声がかけられる
広間の扉が静かに開かれた





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