黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「そっ、か。
仲間、か……。
そうだね………」
そう言った杉田の目は、なんだか悲しげで。
なにか、あったのだろうか…?
「今日呼び出したのは、月夜くんに、――――――頼みがあるからなんだ」
「頼み…?」
「ついてから、話すよ。
……今日、来てくれてありがとう」
悲しげな色はまだ少なからず浮かんでいるが、真剣な目でこちらを見る杉田に。
私は盗聴器とGPSの電源を切った。
こんなの、必要ない。
コイツは俺に何もするつもりがないことは一目瞭然だったからだ。
あとで理人たちに怒られるなと思いながら、携帯の充電をも切った。
「やっぱり、持ってたんだ」
「…………」
「なんで取ったの?」
「……おまえ、俺に何もするつもりはないだろう?
ただ、頼みがあっただけだろう?
―――――だったら、必要ない」
目を見開いたかと思えば、その目は細められ、笑いだした。