黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
月夜くんを呼んで正解だったよ、と不思議なことを言う。
「やっぱり、月夜くんは変わってるね」
「……喧嘩売ってんの?」
「まさか。
いい意味で、だよ。
……あ、着いたみたい」
窓の外をみると、大きな洋館が広がっていた。
麗桜グループの本家、つまり観月の実家はやっぱりこれよりふた周り以上大きいし、敷地も倍以上あるけどね。
車をおり玄関を開けると、綺麗に整列したメイドさんや執事さんたちに出迎えられ連れてこられたのは最上階の四階にある角部屋。
「ここ、俺の部屋。
ようこそ、杉宮家へ」
「おまえん家?」
「そ。
まぁ、まずはランチ食べようか。
お腹空いたでしょ?」
そう言われてみれば…、空いたかも。
今朝から何にも食べてないかも。
すると、事前に言ってあったのか、執事さんやメイドさんたちがたくさんの料理を運んできた。
テーブル一杯に並べられた料理の数々は、どれも美味しそう。
「洋食が好きだって言ってたからさ。
さあ、座って食べて?」
「…、いただきます」
まずは一口、スープから飲むと、やっぱりプロのシェフが作ってるだけあって美味い。
それから次々におかずも口へと運んでいった。