黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「うまい」
「そう?
それは良かったよ」
「でも、2人にしては量多くね?」
絶対に二人前じゃないだろうという料理の量。
用意してくれた手前、残すのは失礼だし、こんなに美味いのにもったいない。
でもだからって、これは全部食べれる気がしない。
「月夜くんがどれくらい食べるかわかんなかったんだもん。
それに、細すぎだからもっと太ったほうがいいよ?」
「…余計なお世話だ。
つか、んな量くえねえよ、流石に」
「じゃあ、残してもいいよ」
「でも、美味いしもったいねえよ」
「あはは、しょうがないなぁ。
じゃあ、残ったのは俺が食べる。
それでどう?」
まあ、それなら。
杉田は男だし、女の私より食べれるわけだし。
問題はなさそう。
それに頷き、再び食べ始めた。
食べきれなかったものは、杉田に平らげてもらい、綺麗に完食。
それにしても、よく食ったな杉田。
男はやっぱ違うな、女と。
「シェフに、月夜くんが美味いって言ってたこと伝えて。
満足したって」
「わかりました。
では」
「よろしく。
で、俺たちこれから大事な話があるんだ。
全員下がっててくれる?」
「はい」
執事さんたちが部屋から出て行き、そして真剣な目で真っ正面から私を見据えてくる杉田。