黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ







「…で、頼みって言うのは?」






改めて尋ねると、少し間を置いたかと思えば。


いきなり椅子から降りて………。






「頼む!!
俺らを…、黄狼を助けてくれ……っ」






あろうことか必死な表情で土下座してきた。


突然のことに言葉も出なかった私だけど、ようやく状況が飲み込めはじめた。





「ちょ、やめろよ、土下座なんて!
頭あげろ!!」


「っ、頼む!
頼むから…っ、助けてくれ!!」


「一体どうしたんだよ?!」


「頼む…、頼む…っ」





何を言っても〝頼む〟としか口にしないし、頭をあげろって何度もいってもあげない。


本当に、頼む、としか口に出さなかった。





「…っ、わかった!
わかったから!!

まずは話を聞く!
受けるか受けねえかはそれから決める!!」


「本当、か…?」


「あぁ。
だから顔あげろっつの。
な?」









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