黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「――――でもある夜、今まで張っていた糸が切れたかのように、何もやる気がなくなった。
何もかも、馬鹿らしくなった。
だから俺は…、みんなが寝静まった夜に、繁華街へと繰り出したんだ。
…親父たちは俺がいなくなったら、探してくれるのかな、って思ったのかもしんねえ。
俺は馬鹿だったんだ。
……一週間家に一回も戻らず状態が続いても探してる気配はなくて。
帰ってみたら、やっぱりメイドたちしかいなくて、いつもと同じ挨拶。
親父たちはいなかった。
いつもと何にも変わんなかった。
あぁ、なんだ、…って。
それからだよ、俺が荒れ始めたのは。
今までやっていた稽古とかも全てサボって繁華街で喧嘩に明け暮れた。
そしたら拾ってくれたんだ、そん時の黄狼の幹部が。
で、おれは黄狼に入った」
次男はいいなと思っていたけど、次男も次男で大変なんだ…。
杉田が荒れるのも、無理はないと思う。