黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
それにしても、なんで私を?
一目見ただけじゃわかんないじゃん。
私が黄狼を助けられるなんて、なんでそう思ったの?
それをそのまま伝えると、
「月夜くんの目だよ。
すごい綺麗で真っ直ぐで、喧嘩も強かったでしょ?
だから、救ってくれるって思ったんだ。
―――まあ、直感だね」
「直感かよ」
「まあね。
で、お願い、出来ないか?」
「―――はぁ、仕方ない。
黄狼はどうにかしなきゃなんねえとは思ってたしな。
………わかった、やってやるよ」
この頼みに受けた方が、黒蝶にも青龍にもいい方向に進むと思う。
もし成功したなら、黄狼の行き過ぎた行動を止められるだろう。
「…あ、りがとう」
「どーいたしまして。
で、具体的にどうしてほしいんだ?」
「それは…………」
言葉を詰まらすところをみると、まだそこまでは考えてなかったのか。
「俺の意見だけど。
総長の意志が通らない今、正統派に完璧に戻すのは正直言って無理だと思う。
奴らに何言っても、恐らく聞き入れない」
無視するだろうし、何しろそれで火がついて更に過激な行動に移ってしまうだろう。
そんなの、逆効果になるだけ。