黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
校舎を駆け回り、六人から逃げ回る。
憐慈が意外に足が速いことに少しビビったけど、なんとか撒いて今は理事長室へと逃げ込んだ。
「観月、少し私を匿って!!」
「ぅおうっ!!?」
勢いよく入ってきた私に相当驚いたのか、手に持っていた資料を床に落とした観月。
そんなに驚かなくても………。
「ど、どうしたんだよ」
「ちょっと色々あって青龍の六人から逃げてんの!
だから匿って!」
「色々?
色々って何だよ……」
「打ち合わせサボっちまってさ…。
みんな怒ってんだよ」
「そりゃお前が悪い」
んなこと私だって分かってますよ?
だけどみんなの顔が思った以上に怖かったんだもん。
仕方ないじゃん。
「わかってますー。
あぁ、久々に全力疾走したから疲れちゃった。
隣の部屋のベッド借りるね」
「理事長の前で堂々サボるか、フツー」
「教室戻れないし、テストの点が良かったら留年しないんでしょ?ここ。
それに理事長観月だし、いいじゃん」
「お前なぁ…。
ったく、勝手にしろ」
「アイツら来たら、私いないことにしといて」
足早に理事長室の奥にある、隣の部屋に繋がったドアを開いた。
そこには、見ただけでも分かるくらい、ふっかふかのキングサイズのベッドが現れた。
んなことに金使うなよ、とか、学校に置くなよ、とか色々思うことはあるけど、
今は寝れればそれでいいや……。
ボスッとベッドに体を沈め、布団を頭まで掛けて一分も経たない内に眠ってしまった。