黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
観月side
ったく、月乃の野郎…。
さっさと俺の休憩室にいきやがって…。
もうちょい説明くれたっていいんじゃねえか?
打ち合わせって何の打ち合わせだよ?
………まあ、そこが月乃らしいんだけど。
ガサッ
「あ………、はぁ……」
先ほどうっかり落としてしまい、床に散らばった資料たちの存在にようやく気づく。
適当にかき集め、デスクの端に纏めて置いておき、仕事に取り掛かった。
学校の理事長としての仕事もそうだが、麗桜グループの後継者としての仕事だってある。
それに今の時期はほんっとに忙しいんだよなぁ、もう。
それから一時間くらいしたとき、廊下から数人が走ってくる足音が聞こえてきた。
しかも、こっちに向かって。
こんな忙しい時期に、次は何なんだ?!
ガチャと開いたドアの外から入ってきたのは、紅蓮たち六人。
そういや月乃、コイツらから逃げてるっつってたな。
「理事長、つっくん来てない?!」
「は?月夜か?
来てねえけど、…どうかしたのか」
「今度やる暴走の打ち合わせを今日の9時からやるって連絡したのにアイツ来なかったんだよ」
暴走の打ち合わせ。
そりゃ大事な事だわ。
月乃のことだから、寝ててメールに気づかなかったか、そもそも携帯を開いてなかったんだろう。