黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
月乃に顔を洗うよう促し、仕事に戻った。
「観月、さんきゅ。
今度何か奢るから」
「あいよ」
月乃が出て行ったのを確認し、はぁっと溜め息をはく。
ったくよぉ…。
月乃のせいでとんだ時間ロスしちまったじゃねえか。
明日までに提出しなきゃなんねえもんだってたくさんあるっつーのに。
時間配分してたが…、みごとに崩されてしまった。
ここは逃げ場じゃねえんだけど、とそう思いながらも、嬉しいと思う自分もいた。
昔こそはよく遊んでたわけだが、今となってはあまり会う機会も少ないわけで。
妹みたいな存在である月乃を溺愛していた俺にとっちゃ、それは寂しかった。
だからこんな形でも、会いに来てくれるのは嬉しい。
「さ、仕事仕事…っと」
やりかけだった仕事にとりかかった。
観月side*END