黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
―――そして、当日。
「うわぁ」
青龍の溜まり場は、人でごった返していた。
いつもの倍いるんじゃないかってほど。
青龍の特攻服の色、白の他にも、黄色や青色に紫色がいた。
私の知ってる限りだと、
黄色は、黄龍‐キリュウ‐
青色は、蒼龍‐ソウリュウ‐
紫色は、紫龍‐シリュウ‐
――…だった気がする。
その三つのチームは青龍の傘下の内の3トップ。
そして、
青龍・黄龍・蒼龍・紫龍の四つのチームを合わせて、四天龍‐シテンリュウ‐とも呼ばれている。
四天龍は、族の世界では名の知れている。
私が紅蝶になる前の、ちょうど翔也が青龍総長になった辺りの頃から有名となり、その名をよく聞くようになった。
昔からどういう奴らか、興味はあったから。
今日は凄く楽しみだった、実をいうと。
「あっ、月夜さん!!
ちわっす!!!」
「ん。
みんなテンション高いね」
「そりゃ、暴走ですもん!
月夜さんは車ッスか?」
「ううん、バイク。
俺バイク派だから」
「一緒に走りましょう!」
「あぁ、そうだな」
そんな感じの会話を下っ端くんたちと話している間にも、
他の四天龍のチームの奴らからのだと思われる視線がビシビシ感じる。
そりゃそうだ。
突然現れた得体の知らない奴が、自分らのトップのチームの幹部になったのだから。
気にならないはずがない。