黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
それに話の内容、完璧私のことだし。
更に入りづらい。
「……お前の言い分もわかる。
お前らに何も言わずにアイツを幹部にしたのは俺だ。
その理由も、アイツが何者かもお前らは知る権利があることは充分分かってる」
「なら…!」
「あぁ、教える。
アイツを、月夜を一目見たとき何かを感じた。
それに加え、喧嘩も強い。
だから、――幹部にした」
「意味わかんねえよ。
何か、って何だよ」
「俺自身もわかんねえ。
けどアイツは、青龍に必要だと直感で思った」
ちょっと、暁。
暁自身もわからないのに、私をいれたの?
「―――そうか。
理由はわかった。
だけど重要なのは何者か、だ」
「その事だが。
…言えねえ」
「は?!」
「本人の許可なしに、俺らの口から言えることじゃねえんだ」
私が麗桜組の若頭だってこと、黙っててくれるんだ。
私のこと、ちゃんと気遣ってくれてる。
「―――そんなに、重大なことなのか」
「あぁ。
俺らはそれを受け止めている。
このことを口外しないと、約束している。
だから、――言えねえ」
「優鬼が、どっかのスパイだとかいう可能性はないのか?」
「それはないよ」
「うんうん、つっくんはスパイなんかじゃないよ」
「なんで航太たちはそう言い切れるんだ?」