黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
……あぁ、やっぱり。
私を認めない奴が出てくることは大体予想がついていた。
「女みてえな面しやがって!!
四天龍のトップにそう簡単になれると思うなよ!?」
「新太!
ちょっと止めてよ!」
「咲希斗は黙ってろ!
…どこの輩かもわからねえ奴が四天龍のトップになるなんてありえねえんだよ!!
顔がちっといいからって、調子のるな!」
――――私だってね。
こんなに馬鹿にされても黙ってるような奴じゃないんだ。
私だってね、キレるんだよ。
私の胸ぐらを掴んでいた手を掴んだ。
「調子乗ってる、だって?」
「―――っ、なん、っだ……!?」
「乗ってなんか、ねえよ。
顔がいいから?
――族入んのに、顔は関係あんのかよ」
明らかに変わった私の雰囲気や声のトーンに、戸惑いを見せた、コイツ。
ちょっと殺気を見せただけなのに、ビビっちゃった。
掴んでいた手を、私の胸ぐらから強引に離し、今度は私がコイツの胸ぐらを掴み、床に叩きつけた。
「ぐっ……」
「別にお前が俺を認めないから怒ってるわけじゃねえ。
認めねえ奴がいることぐらい予想ついてたしな?」
「っな……っ」
「だけど。
―――人に馬鹿にされること、見た目で判断されることほど、……嫌なことはねえんだよ」
胸ぐらを掴む手に、徐々に力を加えていった。