黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「――っんだよ!
なぜ攻撃してこねえ!!?」
「…………」
「避けんので精一杯ってか!?」
一向に攻撃を仕掛けてこない私に痺れをきかしたのか、そう言ってきたけど。
……そんなわけないじゃん。
隙が出来るタイミングを、ただ見計らってるだけだよ。
充分実力はわかったのだから、もう守りでいる必要はない。
あとは隙を見つけてそこを攻めればいいだけのこと。
ガッ
「…―――っつ」
ちょっと油断した、かな。
避けるタイミングが遅れ、微かだけどコイツの拳が頬に当たった。
「―――…ふっ。
やるじゃん、お前。
俺に拳当てるなんてさ。
ちょっと見直したよ?」
「上から目線、ムカつくんだよ……っ!」
「体力あるねー。
普通の奴だったら、もうギブしてる頃だよ」
少々息はきれてるものの、まだまだ体力は有り余ってる様子。