黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
……でもま、あえて聞かないでおく。
大体想像はついてるし。
それに聞いたところで答えてはくれないだろう。
「柊」
「なんだ?」
「1つ、聞きてえことがある」
「聞きたいこと?」
「お前さっき、〝学校では〟って言った。
……それはどういうことだ」
「いつの話、それ」
黄龍の総長が私の元へやってくるなり、そんなことを聞いてきた。
別に私の正体を明かしたっていいから別に焦りはしない。
黒蝶のことなら別だけどね。
「自己紹介した時だ」
「…あぁ、あの時か。
言葉のまんまだよ。
学校では、柊月夜としている」
「学校の外では?」
「クスッ。
青龍の下っ端にも柊月夜として通ってるけど、暁たちは違う名前で通ってるかな」
「違う、名前だ?」
「まぁ、暁たちにはバレたんだけどね」
「どういう意味だ」
「知りたいか」
私の問いかけに、静かにゆっくりと頷くのを確認して、私は更に続けた。