黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「つまり、柊月夜は偽名だってこと。
ていっても、母親の旧姓を名乗ってただけだけどね」
「偽名…。
本名は、なんだ」
「あまり驚かないでな」
「……は?」
「まぁ、驚くのは当たり前だけど…。
俺の本名は、麗桜月夜」
「麗桜…?
それが何だって……」
「気付かねえの?
麗桜って聞いて、何も分かんねえのか?」
「……………?」
「じゃあ、実家がヤクザだって言ったら、…分かるよな?」
「っ、ま、さか…!」
気付くの遅くないですか。
今までは麗桜って言うだけで気付いてたんだけどなぁ。
「多分、想像したの当たってるよ」
「、本当、なのか…?」
「俺は、全国No.1の麗桜組の息子。
で、若頭兼次期組長」
「っ、っ………!?」
私がそう言った瞬間、この部屋の空気が一瞬凍てついた気がした。