黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「麗桜組って知ってるか?」
「当たり前じゃんっ!
全国No.1の実力のある組でしょ?」
高校卒業まで組関連のことは教えられないはずなのに、
なんで知ってるんだ…。
「麗桜組っていったら、一般人の間でも族の間でも有名だ」
「それも正統派。
一般人は組ってだけで怖がるけど、
族の奴らや他の組の奴らからは一部を除いて、支持が凄い」
へえ、そんなに有名なんだ、家って。
初めて知った。
「暁たちは、どう思ってんの」
「俺は、すげえって思う。
いずれ俺は組を継ぐ。
……麗桜組みたいな組にしていきてえ」
「僕も。
強くて、でも実力行使はしない組にしていきたいなって思う」
「…………俺、もだ」
「それはつまり、憧れてるってことだよね?」
「ああ」
「や〜、嬉しいね。
憧れの的って感じ?
ねえ月夜」
憧れ……。
まさか、そう思っていたとはね…。
怖いわけでは、…ないの、かな。