黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
紳介side
「月夜くん、すげえ下っ端からの慕われようじゃねえか」
一階へ降りてすぐ、青龍の下っ端たちに囲まれ外まで連れ出された、青龍の新入り幹部の優鬼……こと、柊月夜くん。
「四天龍って上下関係厳しいはずじゃなかったっけか」
「まぁ…、な。
でもアイツは上下関係気にしねえし、つかそれを嫌ってんだ。
入って早々、月夜の方から下っ端たちに歩み寄った。
下っ端たちはそれが嬉しかったんだろうな」
「へーぇ」
「自分が幹部だって威張りもせずに、ましてや権力など使わずに。
下っ端たちにも分け隔てなどなく接するんだ。
しかも喧嘩も強いし、頭だっていい。
そんな奴を下っ端たちが憧れないはずないだろう?」
こりゃ驚いた。
入ってすぐ幹部になったのだから、多少は〝妬み〟というものがあってもおかしくないと思っていたのに。
これじゃ全く逆じゃないか。
しかも、あの新太を余裕で倒すとは………。
「あははっ!
面白い奴がやってきたねぇ」
これから楽しくなりそうじゃん。
月夜くんがこれから青龍にとってどんな存在になるのか、どんな役割を担うことになるのか。
………また一つ、楽しみが増えたよ。
[紳介side*END*]