黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
バイクは手元にあるが、道路に出るまでの道をギャラリーで塞がれていて、暴走に戻ろうにも戻れない状態。
「すみません、通らしてください」
「連絡先交換してー!」
「これ、私のメアドです!
いつでも連絡してくださいっ!」
「ちょっと!
押さないでよ!」
「私が先よ?!」
話を聞いてくれる様子は全くない。
「あの!
通らせてください!」
「きゃー!
こっち見たわ!!」
「いーや、私よ!」
状況が良くなるどころか、さらに悪化する自体。
もうちょい人通りの少ないとこにある自販にすればよかったか…。
困ったな、この状況。
どうしよう。
みんな先に行っちゃったしな…。
「憐慈、こうなったらもう最終手段だ。
…―――――――」
「っは?!
マジで言ってんのか!?」
「こーすりゃ退いてくれるはずだ」
「でもよ、その後どーすんだ?!」
「俺に任せろ。
打つ手はある」
憐慈に小声で私の考えた作戦を伝えると、信じられないような目でみてくる。
私だって本当だったらこんなことしたくない。
後処理だって大変だし面倒だけど、…方法って言ったらこれしか思い浮かばないんだもん。
成功するかしないか微妙だけど、やってみるに越したことはないはずだ。